症例紹介『ベネット骨折』
はじめまして。
大森駅前整骨院の柔道整復師をしております。佐々木です。
朝晩ずいぶんと寒くなってきましたね。
そろそろインフルエンザの流行る時期ですので皆様お体にお気をつけください。
今回、ご紹介するのは『ベネット骨折』です。
ベネット骨折と聞いてもピンと来る方は専門家ぐらいですが、交通事故では症例の多い骨折です。
正式名称は
「第1指中手骨基底部掌尺側(だい1しちゅうしゅこつきていぶしょうしゃくそく)の脱臼骨折」といい、
長い名前ですが具体的にいうと、
交通事故で自転車、バイク、乗用車のハンドルを握ったまま衝突または転倒した際に、
握りこんだままの親指の付け根を打ちつけて親指の付け根を脱臼と骨折を同時に起こしてしまう症状です。
この骨折の厄介なところは、関節内骨折であることです。
関節内骨折は関節内に骨折が起こり、ズレが生じると関節面の不適合が起こります。
徒手整復(としゅせいふく)で元の位置に戻してもその状態を保持することが難しく、
骨がズレてしまい予後不良となりやすいです。
そのためしっかりとギプス固定を行い、
骨の位置が安定しない場合は鋼線(こうせん)または金属製のネジで固定する手術を行います。
適切な治療をせずに放っておくと、
脱臼を繰り返したり、関節の変形を生じたり、不安定感が残って痛みの原因となることもあります。
ベネット骨折は指の中で頻度の高い骨折です。
親指の付け根は日常でも物をつまんだり、握ったりなどの動作でよく使うところです。
なるべく早くに受診していただいて、適切な方法で治療を行い、しっかりと治していただきたいと思います。
メディカルケアではこのような骨折を伴う交通事故に対して、
レントゲン、手術が必要な場合は整形外科と連携をとり、
固定除去後の関節や筋肉のリハビリも含め対応してまいります。
お気軽にご相談ください。