通学中の事故でも利用できる保険
こんにちは!
月島治療院の川瀬です。
夏休みも明け新学期が始まったのか通勤中に通学中の学生を見かけることが増えました。
交通量が増えると十分に気を付けてはいても事故に遭遇する機会が増えます。
そこで、通学中の事故にも使える保険に触れていきたいと思います。
学校事故には災害共済給付が利用できる
義務教育諸学校や高等学校、幼稚園、幼稚連携型認定こども園、高等専修学校および保育所等の管理下における災害に対しては、日本スポーツ振興センターが整備している災害共済給付制度を利用できます。
災害共済給付の対象となる災害の範囲や支給内容については、以下のように規定されています。
負傷した場合
負傷については、「その原因である事由が学校の管理下で生じたもの」で、療養に要する費用が5,000円以上のものが対象となります。
国民健康保険を利用しない場合の自己負担額の4割分が給付されます。
疾病が発生した場合
疾病については、「その原因である事由が学校の管理下で生じたもの」で、療養に要する費用の額が5,000円以上のもののうち、文部科学省令で定めている以下の疾病を対象とします。
- 1.学校給食等による中毒
- 2.ガス等による中毒
- 3.熱中症
- 4.溺水
- 5.異物の嚥下又は迷入による疾病
- 6.漆等による皮膚炎
- 7.外部衝撃等による疾病
- 8.負傷による疾病
国民健康保険を利用しない場合の自己負担額の4割分が給付されます。
完治せずに後遺症が残った場合
「学校の管理下の負傷又は疾病」が完治せず、後遺症が残ることもあります。
日本スポーツ振興センターから、後遺症の症状が後遺障害に該当するという認定を受けた場合には、障害見舞金支給の対象となります。
後遺障害に該当する症状は、症状の程度に応じて1級から14級に区分されており、認定された等級に応じて、44万円から2,000万円の障害見舞金が給付されます。
死亡した場合
「学校の管理下において発生した」事故に起因する死亡および疾病に直接起因する死亡を対象として、1,500万円の死亡見舞金が支給されます。
ただし、事故の発生が「学校の管理下」といえるか否かという点が重要な要件となることに注意してください。
通常の経路・通常の通学方法で通学していて事故にあった場合には、災害共済給付の対象となる
「通学」とは、学校教育を受けるために、児童生徒等が住居・職場と学校との間を往復する行為です。
通学中に認められる行為には、単純な遊戯やいたずら、自身の怪我を治療するための通院も含まれます。
さらに、学校周辺・通学路の乗降車駅周辺・自宅周辺で学用品等を購入するのと同程度の行動範囲であれば、短時間の寄り道・回り道は通学中における行為として認められています。
一方で、程度態様が著しく突飛な行為や、通院先の病院で治療を受けているときに事故が起こって負傷した場合は、通学中の事故とは認められず、災害共済給付を受けることはできません。
通学が学校の管理下として認められるためには、「通常の方法」による通学である必要があります。
通常の方法としては、徒歩や自転車、自動車(原動機付自転車、自動二輪車を含む。)、バス、鉄道などが例示されています。
また、天候や身体の状況を含め、その他やむを得ない事情により普段の通学方法以外の方法をとった場合についても、「通常の方法」とみなされる可能性があります。
たとえば、以下のような場合です。
- ・学用品を忘れて取りに帰った際に、遅刻を避けるために徒歩から自転車等に変えた
- ・悪天候や身体の障害のため徒歩・自転車からバス等に変更した
ただし、原則として自転車等への便乗は通常の方法とは認められませんので注意してください。
さらに、自転車・原動機付自転車・自動二輪車への二人乗りについては、原則として乗せた方も乗った方も通常の方法による通学とは認められていません。
結論として、通学中の怪我や事故の保障として、災害共済給付制度が利用できます。
しかし、給付対象の条件があることから対象外となるケースがあります。
そこで最後に、公的な交通災害共済制度である、ちょこっと共済についても紹介します。
ちょこっと共済は、東京都の39市町村が共同で運営する公的な交通災害共済で、交通事故に遭い治療を受けた会員に対して見舞金を支給する制度です。
東京都の市町村に住民登録のある方なら年齢・健康状態に関係なくどなたでも加入することができ、会費は年額1,000円または500円と大変安価です。
万が一の事故に備えて、お守り代わりにぜひご加入されてはいかがでしょうか。
また、交通事故のケガでご相談がある場合は当メディカル・ケアグループの治療院へご連絡ください。