症例紹介『肋骨骨折』
大森駅前整骨院の佐々木です。
12月に入り一段と寒くなってきましたね。
東京では例年より早くインフルエンザが流行しています。
年末の忙しい時期になってまいりますので、
皆様、より一層お体にお気をつけください。
今回、ご紹介するのは『肋骨(ろっこつ)骨折』です。
肋骨骨折と聞いて誰しも一度は耳にしたことのある骨折かと思います。
肋骨は、外力を受けやすいために骨折が発生しやすく、
特に更年期を過ぎた場合、骨粗鬆症を起こしていることが多いので、
ごく軽微な外力、過激な筋収縮(激しい咳・くしゃみ)でも発生します。
それだけ皆様の身近に起こる骨折ではありますが、
交通事故の場合、発生が非常に多く、合併症も多いです。
最悪の場合、死に至る危険性もある骨折です。
交通事故での肋骨の痛みは衝突時の衝撃による損傷と、
バイク・自転車で転倒した時に大きな外力がかかり損傷することがほとんどです。
損傷部位によって
・肋骨
・肋軟骨(ろくなんこつ)
・筋肉、神経、血管
・肺などの内臓損傷
などに分けられます。
[肋骨骨折の症状]
肋骨などで形成されている胸郭(きょうかく)という
肺などの内臓を鳥かごのように覆っているところが、
前後左右に圧迫をされるため
押さえると痛い、深呼吸・咳やくしゃみで痛い、寝返りで痛いなどの症状が出ます。
他にも受傷時にメキッと音がすることがあります。
[治療]
・不全骨折(ひびが入るなど)
テーピングやコルセットなどで安静を保ちます。
・完全骨折(バキッと折れてしまった場合)
こちらもテーピングやコルセットなどで安静を保ちます。
また完全骨折の場合、肺を損傷していることがあります。
※肺損傷の症状
・息がしづらい。
・呼吸の時に空気が漏れている音がする。
・咳をすると血が出る。etc.
[合併症]
・動揺性胸郭(きょうかく) 別名:フレイルチェスト
一本の肋骨が2ヶ所以上で折れ、呼吸困難になり危険性が高くなります。
・外傷性気胸(ききょう)
外傷により、胸膜(きょうまく)が損傷され、空気が溜まっている状態で呼吸困難を強く起こし、
心拍出量の低下、血圧低下により危険性が高くなります。
・血胸(けっきょう)
肺・動脈損傷により血液が胸膜内に溜まって呼吸困難や発熱を伴います。
・腎損傷
背部から強い衝撃を受け、腰痛、血尿などがある場合は疑わなければなりません。
また、肋軟骨部骨折ではレントゲンに写らないために病院で見逃される場合もあります。
メディカルケアでは初診時に徒手(としゅ)検査を行い、骨折の疑いがあれば応急処置を施し、
病院と連携をとり、速やかな対応をしてまいります。
安心してご来院ください。